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古伊万里そば猪口 白磁

元の価格は ¥12,000 でした。現在の価格は ¥9,600 です。 (税込)

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江戸中期の白磁そば猪口。
口縁に淡く走るニュウは、時を重ねた器の呼吸の跡のように静かに宿ります。大きな傷気はなく、その白は澄みきった冬の光を思わせます。
幾度となく手に取り、口に運ばれたであろう姿を想うと、この小さな器は、ただの食器ではなく、往時の暮らしを映す記憶の容れ物のようにも感じられます。

口径:約7.0cm 高さ:約5.4cm 高台径:約4.9cm

古伊万里(こいまり)

17世紀初頭、肥前有田の地にて日本で初めて磁器の火が灯りました。最初期の「初期伊万里」は、茶人や大名に手渡され、国内の座敷を彩るために生まれたもの。
やがて17世紀後半には、染付の皿やそば猪口が庶民の暮らしを潤し、同時に海を越えてヨーロッパの王侯貴族の宴席を飾る金襴手や大皿が焼かれました。
一つの窯から生まれた器が、日常と異国、静けさと華やぎを結ぶ――古伊万里は、日本磁器の物語そのものです。

そば猪口(そばちょこ)

江戸の町にそばが香る頃、小ぶりの器が人々の手に渡りました。高さわずか五、六センチの円筒形――それがそば猪口です。
そばつゆを受けるために生まれながら、酒を酌み交わす盃となり、小鉢として食卓を支える器ともなりました。
染付の草花文や吉祥文は、日々の暮らしにさりげない喜びを添え、ひとつひとつが個性を宿しています。大量に焼かれながらも、同じものは二つとない――そば猪口は、江戸の息づかいを今に伝える小さな舞台です。

 

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