昭和ガラス
昭和期のガラス器は、まだ手仕事の痕跡を残しながらも工業化が進んだ時代の産物です。吹きガラスや型吹きによる薄口の器は、軽やかで繊細な響きを持ち、実用品でありながら工芸的な味わいを備えています。病院器具や食器、日用品として庶民の暮らしに広く行き渡り、今では当時の生活文化を映す存在として価値を増しています。透明や青、緑などの発色ガラスは、光を受けて瑞々しい表情を見せ、時に花器や酒器として新たな役割を与えられています。昭和ガラスは、実用の中に潜む美をすくい上げる楽しみを教えてくれる素材です。




